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2026年10月1日

きょうだい児が抱えやすい悩みとは?障害のある兄弟姉妹との向き合い方と家族で考えたい将来の暮らし

障害のある子どもを育てるなかで、
「どうしてもこの子の通院や生活のサポートが優先になってしまう」
「もう一人の子に我慢をさせているのではないか」と悩む保護者の方は少なくありません。

また、子どもたちが成長するにつれて、「親が支えられなくなったあと、兄弟姉妹に負担が集中してしまわないだろうか」と、将来への不安を感じることもあるでしょう。

病気や障害のある兄弟姉妹を持つ子どもは「きょうだい児」と呼ばれることがあります。きょうだい児は、兄弟姉妹を大切に思う一方で、寂しさや我慢、責任感など、さまざまな気持ちを抱えることがあります。

障害のある本人ときょうだいのどちらか一方に負担を寄せるのではなく、それぞれの人生を大切にできる将来を家族で考えていくことです。

この記事では、きょうだい児が抱えやすい悩みや家族としての向き合い方に加え、親が元気なうちから考えておきたい将来の暮らし、福祉サービスや施設の体験利用などについてわかりやすく解説します。

障害者支援施設の利用を考えることは「家族から離すこと」ではありません 

障害のある子どもの施設利用を考え始めたとき、
「自宅で支えられるうちは家族が支えたほうがよいのではないか」
「施設を検討するのは、本人を家族から離すことになるのではないか」
と迷うことがあります。

長く一緒に暮らしてきた家族だからこそ、生活の場を変えることに寂しさやためらいを感じるのは自然なことです。

しかし、本人にとって安心できる暮らし方は、自宅で家族と生活し続けることだけとは限りません。家族以外にも本人の障害特性や生活習慣を理解する支援者がいて、必要なサポートを受けながら生活できる環境を早い段階からつくっておくことも、将来への備えの一つです。

特に考えておきたいのが、親の高齢化や体調の変化です。これまで家族が担ってきた食事や入浴、外出などの支援を続けることが難しくなってから、初めて生活の場を探すことになると、本人も家族も十分に比較・検討する時間を確保できない場合があります。

親が元気なうちに施設を見学したり、体験利用を通して自宅以外の環境で過ごしたりすることで、本人に合った暮らし方を時間をかけて考えることができます。施設を利用したからといって、家族との関係そのものがなくなるわけではありません。

家族だけですべての生活支援を担う関係から、施設や福祉サービスなどの支援者と役割を分けながら本人を支える関係へと変えていく考え方もあります。

「家族がずっと支えること」だけを愛情の形とせず、本人が将来にわたって安心して暮らせる環境を整えることも、大切な家族の関わり方です。

それは同時に、きょうだい児だけに将来の支援を背負わせないための準備にもつながります。本人と家族の双方が納得できる選択肢を、時間に余裕があるうちから少しずつ探していくことが大切です。

きょうだい児とは?障害のある兄弟姉妹を持つ子どもたち

「きょうだい児」とは、病気や障害のある兄弟姉妹を持つ子どもを指す言葉です。

家族のなかで一緒に生活するなか、障害のある兄弟姉妹を身近な存在として大切に思う一方、周囲には伝えにくい寂しさや戸惑いを抱えることもあります。

兄弟姉妹の障害の種類や程度、必要な介助、年齢差、家族構成、利用している福祉サービスなどによって、家庭での過ごし方や本人が感じる負担は異なります。

「障害のある兄弟姉妹がいるから、必ずつらい思いをする」と捉えるのではなく、一人ひとりの状況や気持ちを見ることが大切です。

まずは「きょうだい児」という言葉が何を意味するのかを知ったうえで、家族の時間が障害のある子に集中しやすい背景や、表面からは見えにくいきょうだい児の気持ちについて考えていきましょう。

きょうだい児という言葉の意味

「きょうだい児」とは、病気や障害のある兄弟姉妹を持つ子どもを指す言葉です。障害のある本人を支える家族という立場だけではなく、きょうだい自身の気持ちや生活にも目を向けるために使われています。

幼いころから兄弟姉妹の通院や療育、日常生活の介助を身近に見て育つことで、家族を気遣う気持ちが強くなることがあります。

その一方で、「自分のことで親に負担をかけたくない」「困っていると言いにくい」と、自分の気持ちを抑えてしまう場合もあります。

きょうだいに関する課題は子ども時代だけのものではありません。成人して進学や就職、結婚、親からの独立などを考える時期になると、「親が高齢になったら兄弟姉妹の生活を誰が支えるのか」といった将来の問題に直面することもあります。

障害のある子に家族の時間が集中しやすい理由

障害のある子どもとの暮らしでは、保護者が本人の支援に多くの時間を必要とすることがあります。これは、どちらかの子どもを大切にしていないからではなく、日々の生活を支えるために必要な対応が積み重なりやすいためです。

定期的な通院や療育への付き添い、食事・着替え・入浴などの介助、学校や支援機関との連絡・調整が必要になることがあります。障害の種類や程度によって必要な支援は異なりますが、こうした状況が続けば、結果として家族の時間が障害のある子に集中することもあるでしょう。

そのとき意識したいのが、きょうだい児からは家族の状況がどのように見えているかという点です。「忙しいことはわかっているから、自分は我慢しよう」と、親を困らせないよう気持ちや希望を口にしなくなる子もいます。

「しっかりしているから大丈夫」とは限らない

きょうだい児のなかには、家族の状況をよく理解し、幼いころから自分のことを自分でできたり、親の手を煩わせないように行動したりする子もいます。

周囲から見ると「しっかりしている」「手がかからない」と感じられるため、特に心配はないように見えるかもしれませんが、自分から要求しないことと、寂しさや不安がないことは同じではありません。

本当は親に学校であった出来事を聞いてほしくても、障害のある兄弟姉妹への対応で忙しそうな様子を見て、「今は話さないほうがいい」と気持ちを引っ込めることがあります。

きょうだい児が抱えやすい悩みや複雑な気持ち

きょうだい児が障害のある兄弟姉妹に抱く気持ちは、一つではありません。

大切な家族として好きな気持ちや守りたい気持ちがある一方で、寂しさや嫉妬、怒り、恥ずかしさなどを感じることもあります。

さらに、そうした感情を抱いた自分に対して「こんなことを思ってはいけない」と罪悪感を覚える場合もあります。

家族で出かける予定が兄弟姉妹の体調や支援の都合で変更になり、「どうして自分ばかり我慢しなければならないの」と感じることがあるかもしれません。

それでも兄弟姉妹を大切に思う気持ちがなくなったわけではありません。相反するように見える感情が同時に存在することはあります。どの感情を「良い・悪い」と判断するのではなく、まず本人がそう感じていることを受け止めることです。

親にもっと自分を見てほしいという寂しさ

障害のある兄弟姉妹への対応が優先される場面が続くと、きょうだい児は「自分のことも見てほしい」という寂しさを抱えることがあります。

しかし、家族が忙しくしている様子を日常的に見ているからこそ、その気持ちを素直に伝えられるとは限りません。本当は親と二人で出かけたいと思っていても、「兄弟姉妹の世話があるから無理だろう」と最初から諦めてしまうことがあります。

学校や友人関係で悩みがあっても、「これ以上、親に迷惑をかけてはいけない」と考え、一人で抱え込むケースもあります。こうした我慢が続くうちに、自分の希望そのものを口にしなくなることも考えられます。

また、保護者からすると必要な支援を優先しているだけでも、子どもの側では「自分より兄弟姉妹のほうが大切なのでは」と受け止めてしまう場合があります。

兄弟姉妹への怒りや嫉妬と、その感情への罪悪感

きょうだい児は、障害のある兄弟姉妹に対して「嫌だ」「ずるい」「どうして自分ばかり我慢しなければならないの」といった怒りや嫉妬を感じることがあります。

しかし、そのような気持ちを抱くことと、兄弟姉妹を大切に思うことは矛盾するものではありません。親が兄弟姉妹の支援につきっきりになっているときに、「自分も構ってほしい」と思うことがあります。

外出の予定が変更になったり、自分だけ我慢を求められたりする場面が重なれば、不満を感じることもあるでしょう。注意したいのは、子どもがネガティブな気持ちを口にしたとき、すぐに「そんなことを言ってはいけない」「兄弟なんだから優しくしなさい」と否定してしまうことです。

感情そのものを否定される経験が続くと、「本当のことは言わないほうがいい」と考え、気持ちを一人で抱え込む可能性があります。「そう思ったんだね」と気持ちを受け止め、そのうえで何が嫌だったのか、どうしてほしかったのかを聞くことが大切です。安心して本音を話せる関係があることで、きょうだい児は複雑な感情と少しずつ向き合いやすくなります。

「自分が面倒を見なければ」という責任感

きょうだい児は成長するにつれて、障害のある兄弟姉妹の将来について具体的に考えるようになることがあります。

特に親の年齢を意識するようになると、「親がいなくなったら、次は自分が支えるのだろうか」「自分が面倒を見なければ、この子は暮らしていけないのではないか」と責任を感じる場合があります。

幼いころから兄弟姉妹の身の回りの手伝いをしてきた場合、それが自然と「自分の役割」になっていることがあります。親から直接頼まれていなくても、家族の様子を見ながら「将来も自分が支えなければならない」と考えるケースもあるでしょう。

しかし、障害のある兄弟姉妹の将来の介護や生活支援を、きょうだいだけが担うことを前提にする必要はありません。障害福祉サービスや相談支援、生活介護、住まいに関する支援など、家族以外の力を借りながら暮らしを支える方法があります。

進学・就職・結婚など自分の人生への不安

障害のある兄弟姉妹の将来を自分の責任だと感じていると、きょうだい児自身の人生の選択にも影響することがあります。

本来であれば「何を学びたいか」「どこで働きたいか」と考える場面でも、兄弟姉妹を支えることを優先しなければならないと思い、自分の希望を後回しにしてしまう場合があります。

希望する学校や職場が実家から離れていても「遠くには行けない」と諦めたり、就職先を勤務地だけで決めようとしたりするケースです。成人後には、結婚やパートナーとの生活についても、「兄弟姉妹のことをどう説明すればよいのだろう」「将来の支援まで相手に負担をかけるのではないか」と不安を感じることがあります。

こうした不安を軽減するためにも、家族のなかで「兄弟姉妹のために自分の人生を決めなくてもよい」「あなたはあなたの人生を選んでよい」と伝えることが大切です。

きょうだい児が不安を感じやすい 「親亡きあと」への不安

きょうだい児が成長するにつれて、大きな不安の一つになりやすいのが、障害のある兄弟姉妹の「親亡きあと」の暮らしです。「親が支えられなくなったら、兄弟姉妹はどこで暮らすのか」「自分が一緒に暮らして面倒を見なければならないのか」と考え、自分の将来と兄弟姉妹の生活を切り離して考えられなくなることがあります。

しかし、障害のある兄弟姉妹の将来の生活を、きょうだいだけが支えることを前提にする必要はありません。障害福祉サービスや相談支援、生活介護、施設入所支援など、家族以外の支援を利用しながら生活を支えていく方法があります。

大切なのは、親が支援できなくなってから急いで考えるのではなく、親が元気なうちから本人に合った暮らし方や利用できるサービスについて情報を集めておくことです。家族以外にも頼れる人や場所をつくっておくことは、障害のある本人だけでなく、きょうだい児の将来への不安を軽減することにもつながります。

障害のある子ときょうだい児に親ができる向き合い方

障害のある子ときょうだい児の両方を大切にしたいと思っていても、限られた時間のなかで、すべての子どもにまったく同じように接することは難しいものです。

障害のある子には日常生活の介助や通院への付き添いが必要な一方、きょうだい児には親と二人でゆっくり話す時間が必要なことがあります。

必要な関わり方や時間の使い方が違っていても、それぞれが「自分も家族のなかで大切にされている」と感じられることが重要です。

もちろん、毎日十分な時間を確保したり、いつも理想的な対応をしたりする必要はありません。忙しい日には「今日はゆっくり聞けないけれど、あとで話そう」と伝えるだけでも、本人の気持ちを置き去りにしない関わりにつながります。

ここからは、きょうだい児との1対1の時間のつくり方や、年齢・立場を理由に我慢を求めすぎないこと、さらに兄弟姉妹の将来を背負わせないために家族が意識したいことを具体的に考えていきます。

きょうだい児と1対1で過ごす時間をつくる

きょうだい児に「自分も大切にされている」と感じてもらうためには、親と1対1で過ごす時間を意識してつくることが一つの方法です。長時間の外出や特別なイベントでなくても、親子だけで向き合える時間には意味があります。

買い物に二人で出かける、寝る前に学校であったことを聞く、好きなおやつを一緒に食べながら話すなど、日常生活のなかの短い時間でも構いません。

そのときは、障害のある兄弟姉妹の話だけで終わらせず、きょうだい児自身の友人関係や学校生活、好きなこと、これからやってみたいことなどに耳を傾けることが大切です。

また、せっかく二人で過ごしていても、「最近お手伝いしてくれて助かっているよ」と家族を支える役割だけを評価していると、本人が「役に立つから大切にされている」と受け取ってしまうこともあります。手伝いへの感謝とは別に、本人の頑張りや興味にも目を向けていきましょう。

「我慢して」「お兄ちゃん・お姉ちゃんだから」を当たり前にしない

家庭生活のなかでは、どうしてもきょうだい児に待ってもらったり、障害のある兄弟姉妹を手伝ってもらったりする場面があります。

ただし、「お兄ちゃんだから」「お姉ちゃんだから」「あなたは一人でできるから」といった理由で、我慢や世話を当然の役割として求め続けないことが大切です。外出の準備を手伝ってもらう、少しの間だけ兄弟姉妹を見てもらうなど、日常のなかで協力をお願いすることもあるでしょう。

その際は「やって当然」と考えるのではなく、できるかどうか本人に確認し、手伝ってもらった後には「ありがとう、助かったよ」と伝えることが重要です。本人に予定がある、疲れているなどの事情があれば、断ることができる関係も意識したいところです。

また、年上の子がいつも譲らなければならないとは限りません。「今日は兄弟姉妹の対応が必要だから少し待ってほしい」と、我慢が必要な理由を年齢に応じて説明することで、単に自分だけが後回しにされているという受け止め方を減らせる場合があります。

兄弟姉妹の将来を背負わせる約束をしない

親にとって、障害のある子どもの将来は大きな心配事の一つです。だからこそ、身近なきょうだい児に「将来はあなたが面倒を見てね」「親がいなくなったら頼むね」と言いたくなることもあるかもしれません。

しかし、こうした言葉は、たとえ何気なく伝えたものであっても、きょうだい児にとって将来の約束や役割として受け止められる可能性があります。

進学で実家を離れたいと考えたときに「自分だけ遠くへ行ってよいのだろうか」と迷ったり、就職先や結婚相手を考える際にも、兄弟姉妹を支えられるかどうかを最優先にしたりすることがあります。

本人が望んで関わることと、「自分しかいないから」と責任を背負うことは分けて考える必要があります。将来の生活支援をきょうだいだけに託すのではなく、親世代が元気なうちから家族以外にも支援の輪を広げておくことが大切です。

将来の入所が不安なら「体験」から考える方法もあります

障害のある本人の将来の暮らしを考えたとき、施設への入所が選択肢に挙がっても、「自宅以外の場所で暮らせるだろうか」「環境の変化になじめるだろうか」と不安を感じるご家族は少なくありません。

本人にとっても、慣れ親しんだ家を離れて生活することは大きな変化になります。

だからこそ、最初から長期的な施設利用を決断するのではなく、まずは体験利用を通して実際の生活を知るという考え方があります。

居室で落ち着いて過ごせるか、食事や入浴などの日常生活ではどのような支援を受けられるか、職員と無理なくコミュニケーションを取れそうかなど、見学だけではわからない部分を確認できます。

体験は、本人だけでなく家族にとっても将来の暮らしを具体的に考える機会になります。「入所するか、しないか」をすぐに決めるためではなく、本人に合った生活環境や必要な支援を知るための情報収集として活用することがポイントです。

いきなり生活環境を変えることへの本人の不安

長く暮らしてきた自宅から別の場所へ生活の拠点を移すことは、障害のある本人にとって大きな変化になる場合があります。

特に、決まった生活リズムや慣れた環境を大切にしている方の場合、場所や周囲の人、日々の過ごし方が一度に変わることで、不安や戸惑いが強くなることも考えられます。起床・就寝の時間、食事や入浴の流れ、日中の過ごし方など、自宅では当たり前だった生活習慣が施設では異なることがあります。

家族にとっても施設での生活を知る機会になる

施設での体験利用は、障害のある本人が環境に慣れるためだけのものではありません。親や兄弟姉妹にとっても、「施設ではどのような支援を受けられるのか」「本人はどのように一日を過ごすのか」を具体的に知る機会になります。

将来の施設利用を考えていても、実際の生活がわからない段階では、「本人が困ったときに職員へ伝えられるだろうか」「夜間も安心して過ごせるだろうか」など、さまざまな不安が浮かびやすいものです。

体験を通して食事や入浴、日中活動、就寝までの流れを知ることで、自宅とは異なる環境でもどのような支援を受けながら生活できるのかをイメージしやすくなります。

1週間程度の体験利用から施設との相性を確かめられます 

「施設での生活が本人に合うかわからない」という不安がある場合、当施設では1週間程度の体験利用から検討することができます。

見学だけで入所後の生活をすべてイメージすることは難しいため、実際に一定期間過ごしてみることで、本人と施設との相性を確認しやすくなります。初日は緊張して落ち着かなくても、数日過ごすなかで少しずつ職員や環境に慣れていくことがあります。

一方で、生活リズムや周囲の環境、支援の受け方などについて、本人に合わない部分が見えてくることもあるでしょう。食事や入浴、日中活動、就寝といった一日の流れを実際に経験することで、見学だけではわからない部分まで確認でき、将来の暮らしを考えるための判断材料になります。

体験中に本人が確認したいこと

体験利用では、「施設で数日間過ごせたか」だけではなく、本人がその環境で無理なく、安心して生活できそうかを確認することが大切です。本人が言葉で感想を伝えることが難しい場合には、表情や行動、睡眠など普段との違いにも目を向けながら、過ごしやすさを考えていきます。

居室で一人になったときに落ち着いて過ごせるか、食事や入浴、着替えなどの日常生活で必要な支援を受けられるかは確認しておきたいポイントです。

加えて、日中活動を無理なく楽しめているか、休みたいときに休める環境があるかなど、本人の普段の生活リズムと照らし合わせながら見ていくとよいでしょう。

家族が確認したいこと

体験利用は、本人の過ごしやすさを確かめると同時に、家族が施設の支援内容や考え方を具体的に知る機会でもあります。

将来的に生活の場として利用する可能性があるからこそ、「預かってもらえるか」という視点だけではなく、本人らしい暮らしをどのように支えてもらえるのかを確認することが大切です。

本人の障害特性や生活習慣、得意なこと・苦手なことをどのように把握し、日々の支援に反映しているのかを確認してみましょう。食事や入浴などの介助だけでなく、本人の意思をどのように確認しているか、日中をどのように過ごすのかといった支援方針を知ることで、長期的な生活をイメージしやすくなります。

障害のある子を持つ家族だからこそ、元気なうちに将来について話しておく

障害のある子どもの将来について、「まだ親が支えられるから」「本人も今の生活に慣れているから」と、具体的な話を先延ばしにしてしまうことがあります。

しかし、親の高齢化や病気などによって支援を続けることが難しくなってから、住まいや支援先を急いで探すことになると、本人や家族が十分に選択肢を検討できない可能性があります。

だからこそ、親が元気で動けるうちに、将来の暮らしについて少しずつ話しておくことが大切です。

「本人はどのような環境なら安心して過ごせるのか」
「今後どのような障害福祉サービスを利用できそうか」
「家族以外に頼れる支援者はいるか」

など、現在の生活を起点に考えていく方法があります。

早い段階から情報を集め、見学や体験などを重ねておけば、必要になったときに慌てて一つの選択肢に決めるのではなく、本人と家族に合った暮らし方を考えやすくなります。

本人がどのような暮らしを望んでいるかを考える

将来の生活を考えるときは、家族が「ここなら安心できる」と思えることだけでなく、障害のある本人にとって安心して暮らせる環境かどうかを大切にする必要があります。

支援する側の都合だけで生活の場を決めるのではなく、可能な範囲で本人の希望や過ごしやすさを確認しながら選択肢を考えていきましょう。「静かな場所のほうが落ち着く」「一人で過ごせる時間が必要」「決まった時間に食事や入浴をしたい」など、暮らしに対する希望は人によって異なります。

言葉で意思を伝えることが難しい場合でも、普段の表情や行動、好きなこと・苦手なこと、生活リズムなどから、本人にとって心地よい環境を考えることはできます。

きょうだい児にも将来について率直に話す

障害のある兄弟姉妹の将来について、きょうだい児にどこまで話すべきか迷う保護者もいるでしょう。「心配をかけたくない」と考えて詳しい話を避けることもありますが、何も説明されないことが、かえって本人の不安を大きくする場合があります。

親が高齢になっていく姿を見ながら、「将来は自分が一緒に暮らすことになるのだろうか」「就職して実家を離れてもよいのだろうか」と、きょうだい児が一人で先の生活を想像していることがあります。

家族から方針を聞いていなければ、「自分が支えるしかない」と考えてしまうこともあるでしょう。年齢や理解度に合わせながら、家族がどのような将来を考えているのかを率直に共有することが大切です。

施設・相談支援など家族以外とのつながりをつくる

障害のある本人の将来を考えるとき、家族だけですべての支援を担おうとするのではなく、早い段階から家族以外の人やサービスとつながっておくことが大切です。

親が元気なうちから支援の選択肢を知っておくことで、家族の状況が変化した際にも、本人に必要な生活支援を検討しやすくなります。相談支援を通して本人の生活上の困りごとや将来の希望を整理し、必要に応じて生活介護などの障害福祉サービスにつなげていく方法があります。

将来、自宅以外で暮らすことを考えている場合には、施設入所支援など住まいに関する選択肢について情報を集めておくことも一つです。

まとめ|きょうだい児も障害のある本人も、それぞれの人生を大切にできる将来へ

きょうだい児は、障害のある兄弟姉妹を大切に思う一方で、「もっと親に自分を見てほしい」という寂しさや、怒り、嫉妬、罪悪感など、さまざまな気持ちを抱えることがあります。成長するにつれて、「親がいなくなったら自分が支えなければならないのでは」と、将来への責任を感じることもあるでしょう。

大切なのは、こうした気持ちを否定せず、きょうだい児自身の人生も尊重することです。そして、障害のある本人の将来の生活をきょうだいだけに委ねるのではなく、親が元気なうちから家族以外にも支援の輪を広げていくことが重要です。

将来について考えることは、「今すぐ施設への入所を決める」ということではありません。「まだ入所するか決めていない」「まずは1週間程度体験して、本人との相性を確かめたい」という段階からでも相談できます。

障害のある本人が安心して暮らせること、そしてきょうだい児も進学・就職・結婚など自分自身の人生を選べること。その両方を大切にできる将来に向けて、まずは相談・カウンセリングを通じて、ご家族に合った選択肢を一緒に整理してみてはいかがでしょうか。

こざくら学園の運営内容は、生活介護(日中)、施設入所支援(夜間)を通じて24時間(入所施設)体制で、サービスを提供しています。
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