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2026年3月1日

知的障害がある子・家族を施設に預けたいけど、悩んでいる方へ|入所の流れと選択肢を解説

「このまま家で支え続けられるのだろうか」
「将来のことを考えると、施設に入れたほうがいいのかもしれない」

知的障害のあるご家族を持つ父母・保護者の方の中には、こうした思いを抱えながらも、「施設に入れたい」と考えること自体に迷いや罪悪感を感じている方も少なくありません。

特に、長崎県西海市周辺のように地域資源が限られている場合、「どんな施設があるのか」「どうやって手続きを進めればいいのか」が分からず、不安だけが先に立ってしまうこともあるでしょう。

この記事では、「知的障害 施設に入れたい」と考え始めたご家族に向けて、

  • 知的障害者向け施設の種類とそれぞれの違い
  • 入所までの基本的な流れや必要な手続き
  • 入所を検討する際によくある悩みと、その解決のヒント

を、制度の基本から相談先まで順を追ってわかりやすく解説します。

「今すぐ入所を決める」ための記事ではありません。正しい情報を知り、選択肢を整理し、安心して次の一歩を考えるための内容です。ご家族にとっても、ご本人にとっても無理のない形を見つけるために、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

知的障害者向け施設とは?種類と違いを知る

知的障害のある方を支える福祉施設には、生活の場として長期間利用する入所型施設から、地域で暮らしながら支援を受けるグループホームまで、いくつかの選択肢があります。

「施設」と一言で言っても、その役割や支援内容はさまざまで、ご本人の障害の程度や年齢、家族の状況によって適した形は異なります。

主な施設の種類には、以下のようなものがあります。

  • 入所型施設(障害者支援施設)
    24時間体制で生活全般の支援を受けられる施設です。重度の知的障害がある方や、在宅での生活が難しい場合に選ばれることが多くなります。
  • グループホーム(共同生活援助)
    地域の住宅で少人数が共同生活を送り、必要な支援を受ける形です。ある程度の身辺自立が可能な方や、将来的な地域生活を目指す方に向いています。
  • 通所系サービス(生活介護・就労支援など)
    自宅から通いながら日中の活動や支援を受けるサービスで、入所と併用されることもあります。

大切なのは、「どの施設が正解か」ではなく、「今の本人と家族に合っているか」という視点です。将来を見据えつつも、まずは現在の生活の負担や不安を軽くする選択から考えていくことが、無理のない第一歩になります。

入所型施設(障害者支援施設)の特徴

入所型施設(障害者支援施設)は、知的障害のある方が施設に入所し、24時間体制で生活支援を受けながら暮らす場所です。家庭での介護や見守りが難しくなってきた場合や、支援量が多く必要な方にとって、大きな支えとなる選択肢のひとつです。

日常生活を支える24時間の支援体制

入所型施設では、食事・排泄・入浴・着替えといった日常生活全般について、職員の支援を受けることができます。生活リズムを整えながら、安心して毎日を過ごせる環境が整えられています。

生活訓練・日中活動の提供

単に「預かる場所」ではなく、日中は作業活動やレクリエーション、生活訓練などが行われます。ご本人の状態に合わせて、できることを維持・伸ばす支援が行われる点も特徴です。

家族の負担を軽減する役割

長年、在宅で支えてきたご家族にとって、入所は大きな決断です。しかし、支援を専門職に委ねることで、家族が「家族としての関係」に戻れるという側面もあります。罪悪感を抱く必要はなく、支援の形を変える選択肢のひとつと考えることができます。

入所型施設は、本人の安心と家族の生活を両立させるための重要な社会資源です。まずは特徴を知り、相談から始めることが大切です。

施設に入所するには?基本的な流れと手続き

「施設に入所させたいかもしれない」と感じたとき、多くのご家族が最初につまずくのが、「何から始めればいいのか分からない」という点です。

実際、施設探しを先にしようとしても、制度上は手続きの順序が決まっており、自己判断だけでは進めにくいのが現状です。

ここでは、知的障害のある方が施設に入所するまでの基本的な流れを、順を追って説明します。

相談窓口にまず相談する

施設入所を考え始めたら、最初に行うべきなのは市町村の障害福祉窓口や指定相談支援事業者への相談です。「もう限界かもしれない」「将来が不安」といった段階でも相談は可能で、必ずしも入所を決めている必要はありません。

相談窓口では、本人の障害の状況や家族の生活状況を聞き取ったうえで、入所が適しているのか、他に使える支援はないかといった整理を一緒に行います。また、地域にある施設の種類や空き状況についての情報提供を受けられるのも、この段階です。

一人で抱え込まず、早めに専門職とつながることが、後々の負担を減らす大切なポイントになります。

必要な書類・診断書について

施設入所に進む場合、いくつかの書類を準備する必要があります。主に求められるのは、医師の意見書や障害の程度を示す資料です。すでに療育手帳を持っている場合でも、改めて医師の意見書が必要になることがあります。

診断書では、日常生活でどのような支援が必要か、医療的な配慮が必要かといった点が重視されます。そのため、普段の困りごとや家庭での様子を、できるだけ具体的に医師に伝えることが大切です。

書類の内容によって、利用できるサービスや支援量が変わるため、分からない点は相談支援専門員に確認しながら進めると安心です。

支給決定と利用計画(サービス等利用計画)

必要書類がそろうと、市町村による支給決定の審査が行われます。これは、どの障害福祉サービスを、どの程度利用できるかを行政が判断する手続きです。

並行して、指定相談支援事業者がサービス等利用計画を作成します。この計画では、本人の生活状況や希望、家族の意向を踏まえ、どの施設やサービスを利用するのが適切かが整理されます。

支給決定が下りることで、正式に施設利用の申込みが可能になります。時間がかかる場合もあるため、早めに相談を始めることが、希望に近い形で進めるための重要なポイントです。

施設入所は、一つひとつ段階を踏んで進めていくプロセスです。焦らず、支援者と一緒に進めることで、ご本人にもご家族にも無理のない選択につながります。

よくある悩み・不安と解決のヒント

施設入所を考え始めたとき、多くのご家族が同じような悩みや不安に直面します。

「入れたほうがいいのかもしれない」という気持ちと、「本当にそれでいいのだろうか」という迷いが行き来し、なかなか前に進めなくなることも少なくありません。

ここでは、実際によく聞かれる悩みを取り上げながら、少し気持ちが軽くなる考え方や、現実的な対応のヒントを紹介します。

入所待ち・空きがない場合はどうする?

施設入所を検討して相談を始めたものの、「すぐに入れる施設がない」「何年も待機が必要と言われた」というケースは珍しくありません。特に入所型施設は数が限られており、希望してもすぐに利用できないことがあります。

このような場合、まず大切なのは「待つしかない」と一人で抱え込まないことです。
入所待ちの間にも、使える支援は複数あります。

たとえば、

  • 短期入所(ショートステイ)を利用して、介護の負担を一時的に軽減する
  • 生活介護や通所サービスを利用し、日中の支援を確保する
  • 相談支援専門員と定期的に状況を共有し、空きが出た際に優先的に情報をもらえるようにする

といった方法があります。

また、第一希望の施設にこだわりすぎず、複数の施設に相談・申込みをしておくことも重要です。将来的に条件が変わったり、支援体制が整ったりすることで、選択肢が広がるケースもあります。入所は「点」ではなく「過程」と考え、今できる支援を積み重ねていくことが現実的な対応になります。

費用が心配…実際どれくらい?

施設入所を考える際、費用面の不安は非常に大きなポイントです。「長く利用したら家計がもたないのでは」「一生分の費用がかかるのでは」と、漠然とした不安を抱く方も多いでしょう。

障害福祉サービスの利用料は、原則として所得に応じた自己負担となっており、多くの場合は月額の上限が設定されています。生活保護を受給している場合や、低所得世帯では自己負担が軽減される仕組みもあります。

一方で、サービス利用料とは別に、

  • 食費
  • 光熱費
  • 日用品費

などの生活費が必要になる点は理解しておく必要があります。

ただし、これらも全額自己負担になるとは限らず、補助制度や手当を組み合わせることで負担を抑えられるケースがあります。具体的な金額は、世帯の収入や施設の形態によって異なるため、早い段階で市町村や相談支援専門員にシミュレーションしてもらうことが安心につながります。

「費用が不安だから相談できない」のではなく、「費用が不安だからこそ相談する」という姿勢が大切です。

地域で生活するための支援との併用

施設入所は、必ずしも「ずっと施設で生活する」という意味ではありません。最近では、入所と地域生活を組み合わせた柔軟な支援の形も広がっています。

  • 将来的にグループホームへの移行を見据えて、まずは入所で生活を安定させる
  • 入所しながら、外部の就労支援や日中活動に参加する
  • 在宅支援を続けつつ、必要に応じて入所やショートステイを利用する

といった形です。

「入所=家に戻れない」「地域との関わりがなくなる」と考える必要はありません。むしろ、支援を受けながら本人の生活の幅を広げていくための選択肢のひとつとして捉えることができます。

家族だけで支え続けることが難しくなったとき、支援の形を変えることは“諦め”ではなく、“続けるための工夫”です。ご本人の安心と、家族の生活を守るためにも、入所と地域支援を組み合わせた形を相談してみることが大切です。

重度知的障害の場合の入所と支援のポイント

重度の知的障害がある方の場合、入所を検討する際には、日常生活の支援だけでなく、医療面や安全面も含めた総合的な配慮が必要になります。

ご家族だけで支え続けることが難しくなったとき、専門的な支援を受けながら生活できる環境を整えることは、本人にとっても家族にとっても大切な選択です。

医療的支援が必要な場合の対応

重度知的障害のある方の中には、てんかん発作や慢性的な疾患、服薬管理など、医療的な配慮が欠かせないケースもあります。その場合、医療連携が取れている入所型施設や、看護職員が配置されている施設を選ぶことが重要です。

医療ニーズが高い場合は、市町村の障害福祉窓口に加えて、主治医や医療機関、地域の相談支援専門員と連携しながら進めます。医療と福祉の両面から支援体制を整えることで、急変時にも安心できる環境を確保できます。

家族が知っておきたい支援制度

重度知的障害のある方には、生活を支えるための各種制度があります。代表的なものとして、障害基礎年金や特別障害者手当、自治体独自の支援制度などが挙げられます。これらを活用することで、施設利用に伴う経済的な負担を軽減できる場合があります。

制度は複雑で分かりにくいため、すべてを一人で調べる必要はありません。相談支援専門員や市町村窓口に確認しながら、利用できる制度を整理していくことが大切です。

地域生活への橋渡しとしての支援プログラム

入所型施設は、終の住処としてだけでなく、生活を安定させるための「中継地点」としての役割を持つこともあります。施設によっては、将来的な地域生活を見据えた生活訓練や外出支援、社会参加の機会を提供しています。

まとめ──「施設に入れたい」を実現するためのステップ

「施設に入れたい」と考えることは、決して冷たい判断でも、家族としての責任放棄でもありません。それは、ご本人と家族の生活を守り、これから先も支え続けるために必要な選択肢のひとつです。この記事では、知的障害者向け施設の種類や特徴、入所までの基本的な流れ、そして多くの家族が抱える悩みとその向き合い方について整理してきました。

入所を考え始めたときに最も大切なのは、「今すぐ決めること」ではなく、「正しい情報を知り、相談につながること」です。市町村の障害福祉窓口や指定相談支援事業者は、迷っている段階でも相談できる場所です。一人で答えを出そうとせず、専門職と一緒に選択肢を整理することで、無理のない道筋が見えてきます。

家族としてできる支援は、すべてを抱え込むことではありません。必要なときに支援を頼み、本人にとって安心できる環境を整えることも、立派な支え方です。「施設に入れたい」という気持ちを出発点に、まずは相談という小さな一歩から始めてみてください。その一歩が、これからの生活を少し楽にし、安心につながるはずです。

こざくら学園の運営内容は、生活介護(日中)、施設入所支援(夜間)を通じて24時間(入所施設)体制で、サービスを提供しています。
また、共同生活援助(グループホーム)の運営をしています。障害者支援施設をご検討の方は、こざくら学園までお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせは ☎0959320870 ✉ info@kozakura.cc